擬態したのが美少年だとかどうだとか。

そんなことよりトゥインクルは、猫走り(の人間版)をどうしても俺に教えたかったんだと言う。

「でもよう、人と猫じゃ明らかに構造が違うじゃないかよ」

「うにゃにゃ、うにゃん!」

そこは気の持ちようだと抜かしやがる。それなら別に猫のままでも良かったじゃないか!

トゥインクルは俺の冷ややかな視線など眼中に無いようで、屈伸をしたりして身体を慣らしている。

「うにゃっ、うにゃにゃにゃにゃぁぁぁっ!」

そうかと思えば脱兎の如く(猫だからダツビョウだ)走り去った。

「は、早いっ!」

砂を蹴り、目にも止まらぬ早さでゴール迄たどり着いたトゥインクルは、偉そうに胸を張ってひと鳴きした。


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