「おいトゥインクル!」

俺は人間に化けた遣い魔に駆け寄った。

「うにゃん、なお?」

「ああ凄いとも!……やっぱりたんまり金を稼げそうだ!」

また引っ掻かれた。

「イテテテ……冗談だって! しっかし凄い走りだったぜ、トゥインクル! どうやったらあんなに早く走れるんだ?」

トゥインクルは満足気に頷いているが、ヤツの少女と見紛うばかりの美しさに一瞬(ほんの一瞬だからな!)クラッと来たのは内緒だ。

「うななぁぁお」

脱力だと?

「うなな、なごなご」

砂に逆らわず、無駄に力を入れないこと?……たったそんなことだけで、あんなに早くなるのか!


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