あれだけこっちを放っぱらかしにしといて、喋りたいことが有れば自分の話ばかり。

ちょっと変わった感じの女だとは思ってたが、そんな自己中女だとは知らなかったぜ。

「可奈子。俺とトゥインクルはな、お前を振り向かせたくて修行してたんだ。そんなゴブリン風情に可愛子ちゃんとご主人様を奪われた、俺達の気持ちはどうなるんだ?」

可奈子はまた目を見開いて、そして腹を抱えて笑いだした。

「フフフフ、アハハハ。二人共、レオナルドに焼きもち妬いてたの? 私もモテるのね」

「サ、サライ? お前、生きていたのか!」

レオナルドはトゥインクルが擬態した少年を見て、何かに打たれたように飛び上がり、駆け寄った。

「ニャニャイ?」


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