橋のレビュー一覧
日常に溢れる当たり前の物事に囲まれて 不満を口にしながら当たり前に生活している中で たぶん人は 多くを持ち過ぎたらいけないんだと思う。 足りないモノが多い分 どんな小さなコトでも大きな価値が生まれるようで 主人公の明るさと温和さ その目に見える風景が あたたかかい文章で描かれています。 ちょっと嫌なことがあったとき 傷ついたとき この作品に触れたらきっと まだ大丈夫って微笑めるような 素敵な作品だと思います。
橋の下で繰り広げられる 人生劇場 人の人生には 思わぬところに 落とし穴があるものだ 奈落の底に突き落とされた そんな暗澹たる人生も 日々の何気ない幸せの積み重ねで 帳尻が合うようにできている 嗚呼 人生とはいかに 川の流れのように淀みない 大きな力に動かされていることか!! ダイさまが送る エロなし本気の物語 人生に躓いた そこの貴方! どうぞ紐解いてくださりませ 暗雲立ち込める雲の切れ間から 差し込む一筋の光のように 貴方の心に希望を点す 良作です♪
河原から仰ぎ見る空には赤々と滲む夕陽が浮かんでいた。水面(みなも)は空の色を映して黄金色に輝き、とうとう我慢しきれなくなった太陽が橋の向こうへと落ちてゆく。 その光の中に、ひとりの女の姿があった。 控えめに垂らされた見えない糸が、数奇な前半生を送ってきた男と女とを結びつけようと波間に揺れる。 男は手繰り、女は振りほどく。 運命の糸、恋の糸、記憶の糸、死の糸と、それらはいっけん独立しているようでいて、しかし確実に絡み合っている。糸の向こうでは、掴めなかった過去が確かな未来となって待っているのだろう。 掴め。ひとたび掴んだなら離してもまた繋がるはず。 真夏の陽射し。プールサイドの照り返し。水に遊ぶ子供達のさんざめき。 二人の恋はまだ始まったばかりだ。 想像の余地があってこそ物語は面白い。全てが私の好みでした。
時々、全てが嫌になる。 そんな時、ふと、全てを捨ててどこかでやり直せたらと思う。 そんな度胸もないクセに。 大切に想ってくれる家族がいて、友人がいて、そんな事を想う私は我侭な子供なのかもしれない。 けれど、きっと誰にでも『気の迷い』はあるし その『気の迷い』で命を落とす人もいるのだと思う。 人は、弱く儚いもの。 けれど、強く逞しいもの。 もう歩けないかもしれない・・・そうアナタが思った時に出逢えるのが、この作品の主人公のような人だといい。 血の繋がりや一緒に過ごした時間の長さも大切だけど 信じられる相手は、弱音をはける相手は 今隣にいる人ではなくても、良いのかもしれない。 疲れている少年少女 溜息がちな社会人におすすめ。 美しい風景描写にも癒されます。