宝石箱〜私達の宝物〜《短》
優しい大人
「はい! だし巻きと軟骨から揚げ!」
この居酒屋の店長、通称オイチャンがクックッと笑いながら料理を持ってきてくれた。
「オイチャン! 何笑ってんだよ!」
ハチがすかさず突っ込んでいく。
オイチャンは料理をちゃぶ台におきながら、まだ笑っていた。
「いや、おまえら本当に小さいときから変わってねえなって思ってよ」
オイチャンはそう笑いながら言うと、くるりと私たちの顔を見回した。