宝石箱〜私達の宝物〜《短》

「ハチが法螺を吹くとシンチは真に受けて、ユッケは嫌な顔するだろ?
タロはたんたんと自分のしたいことしてるしよ。それでミィーサはその様子をみて静かに笑ってる。
初めて会ったときからちっとも変わってねえ」

オイチャンは狭い通路に立ってさっきとは違う、温かい笑顔でそう言う。

まるで成長していない、と言われたような気分になった私達はお互いに顔を見合わせた後、少し赤くなった顔を隠すために、全員同じようなタイミングで俯いてしまった。


「お、俺は事実しか言ってねえ!」

照れ隠しなのかハチが突然そう叫ぶ。

そしてほとんど残っていなかった生ビールを飲み干した。


「そうかそうか。じゃあ今度その彼女達をこの店に連れてきな」

オイチャンは笑いながらハチのために新しい生ビールをおいて、厨房に戻っていった。
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