宝石箱〜私達の宝物〜《短》

「オイチャンから見たら俺達はまだまだ子供だってことだな」

シンチはそう苦笑しながら新しい煙草に火をつける。

「いつか……オイチャンに認められるくらい大人になる」

タロはぼーっとした顔を珍しくキリッとさせながらそう呟いた。


私にとってもオイチャンはこうなりたいと思える素敵な大人だけど。

この三人にとってはそれだけではなく、オイチャンは理想の男なのだ。

はやくオイチャンに認められるくらいの大人の男になりたい。

そんなふうに思っているんだろう。

今だって三人の視線はカウンターの中で仕事をしているオイチャンの姿をおっている。

そんな三人を見ていると、成人式の日、オイチャンが私達に初めて出してくれたお酒を飲んだときの嬉しそうな三人の顔が頭に浮かんできた。
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