宝石箱〜私達の宝物〜《短》
二十歳の私達から

「ミィーサ遅いぞ!」

やっぱり皆は、電柱を曲がった所にいた。


「ごめん。オイチャンと話こんじゃって……でも、オイチャンからおにぎりもらったよ」

待ちくたびれていたハチに、おにぎりの入った紙袋を渡す。

「えっ? まじで?」

「俺オイチャンのおにぎり好き」

シンチとタロが嬉しそうに袋を見つめる。

私達は全員、オイチャンのおにぎりが大好きだ。


「オイチャンめ……よしっ! 行くぞ!」

ハチに言われて皆が歩き出す。

その一歩を踏み出す瞬間。

ハチが小さく呟いた一言は、私にしか聞こえていないと思う。


「ちくしょー…絶対にオイチャンみたいなカッコイイ男になってやる」
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