宝石箱〜私達の宝物〜《短》
皆で話ながら数分歩くと、シンチの家の前に着いた。
「じゃあ取ってくるからまっててな」
シンチが家の中に入っていく。
しばらく四人で輪になって話していると、シンチはシャベルを一本持って家から出てきた。
「お待たせ! 行くか!」
シャベルを肩に担いだシンチが歩き出す。
「待ってよー」
そのあとをユッケが追い掛けて、二人は手を繋いで歩き出した。
「おい、あの二人どう思う? 相手がいない俺らに対する嫌がらせだと思わね?」
ハチが二人を指差す。
「じゃあ、ハチ……俺と手繋ぐ?」
そう言ってタロは珍しく、ニコニコしながら手を差し出した。
「うわぁー! 嫌だー! ミィーサ助けてー!」
ハチが本気で嫌がるのを見て、私は明け方の住宅街なのに大声で笑ってしまった。