宝石箱〜私達の宝物〜《短》
宝石箱の中に入っていたのは五通の封筒。
これは成人式の日に私達が、五年後の目標を書いた紙を入れたものだ。
「シンチ! 俺のくれよ!」
「シンチ! 私のが先だよ!」
ハチとユッケが揃って叫ぶ。
「ちょっとまてよ。ハチとユッケ……あっ、これだ」
シンチは、ハチとユッケに同時に封筒を手渡した。
ハチとユッケは、やぶれるんじゃないかと思う勢いで封筒をあけ、中の紙を読む。
「はい。これはミィーサとタロの」
「ありがとう」
「ん……」
シンチは私とタロに封筒を渡すと、しゃがんだまま自分の封筒をあけはじめた。
タロも無表情のまま封筒をあけ、中の紙を取り出す。
私は少しドキドキしながら、封筒の中身を取り出して読み始めた。