宝石箱〜私達の宝物〜《短》

だけど私達は今の自分以上に成長しなければならない。

成長しなければオイチャンみたいにカッコイイ大人にはなれないから。


だから私達はまた五年後の目標を書いた紙を封筒に入れ、宝石箱の中に閉まった。

宝石箱に入った五通の封筒はまるで、本物の宝石みたいに輝いているように私には見えた。

そしてそれをまた木の根もとに埋めた。

明日からまた頑張るために。


「よしっ! 帰るか!」
「だな。もう五時過ぎてるし」
「今日はシンチの家に泊まろっと」
「夜は仕事だ……」

皆、言っていることはバラバラだけど目はすごく輝いていた。


「じゃあ帰ろうか」

私の目も……輝いているのかな?
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