宝石箱〜私達の宝物〜《短》

神社を出た私達を、朝日が照らす。

私達は朝日に背を向けながら、なにもない道を五人で並んで歩いた。


「あっタロ、シャツ洗濯して返すね?」

「うん」

「なんだよー! お前らラブラブか?」

私とタロの会話を聞いていたらしいハチが、すかさず横から口を挟んできた。

その表情には“悪戯坊主”という単語がぴったりとあてはまる。

私はそんなハチを横目に大きく息を吸い込んだ後、勇気を振り絞って口を開いた。

ある事を、皆に告げるために。


「違うよ。私……彼氏いてるもん」

その瞬間、皆が驚いた顔で私を見た。

やっぱり……かなり恥ずかしい。

私の顔はいますごく赤いはずだ。
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