宝石箱〜私達の宝物〜《短》
「ごめんねシンチ! 私、ミィーサにくっつくから!」
ユッケがそう笑いながら無邪気な感じで、私にくっついてきた。
シンチはそんなユッケと私を見て深いため息を吐き出している。
くっつかれている私は笑うしかない。
私は、と言えば高校の頃からしていた喫茶店のバイトが気に入り、卒業後そのまま就職した。
一昨年に独立して喫茶店をオープンし、大変だけど充実した毎日を送っている。
「……ユッケ。シンチの横に座りなよ?
シンチが可哀相でしょ?」
くっついているユッケの体を引きはがしながら私がそう言うと、少し考えるような顔をしたユッケ。
するとしょうがないな、と呟きながら渋々といった雰囲気でシンチの横に座る。
だけど……その表情はとても幸せそうだ。
その証拠にユッケはピッタリと体をくっつけるように、シンチの隣に座った。