宝石箱〜私達の宝物〜《短》

木目の床。

所々傷が付いている黒板に、なぜか絵の具や墨汁らしきものが付いている壁。

私達はそんな四年二組の教室で出会い、そして一学期の何度目かの席替えで同じ班になった。


それからどういうきっかけで仲良くなったのかは、忘れてしまったけれど。

だけど私たちはそれからはずっと一緒にいた。

小学校、中学校……進学先がバラバラになってしまっても。

良いことも悪いことも、皆で一緒にやってきたんだ。

本当に懐かしい。

……あのときの担任の先生はまだ元気にしているのかな?


「なあ……ミィーサは彼氏いないの?」

そんな思い出に浸っていた私を現実に引き戻したのは、タロの一言だった。
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