宝石箱〜私達の宝物〜《短》
「……えっ?」
タロのそんな突然の質問に、私の動きは完全にストップしてしまった。
「そういえばミィーサの男の話って聞いたことねえな。お前このままじゃ、行き遅れるぞ?」
ハチも意地悪な笑みを浮かべながら、横から話に入ってきた。
シンチとユッケも口には出さないものの、私をじーっと見つめてくる。
……どうしよう。
私は久しぶりに焦ってしまった。
今現在、彼氏は……いる。
内緒にしていたけれど今までだって彼氏はいたし、皆同じクラスだった中学生のときだって、実はいた。
だけど……私は皆にそれを言いたくなかった。
子供の頃からの友達に、恋愛の話をするなんて恥ずかし過ぎるから。
それは親に恋人を紹介するときの恥ずかしさと、似たようなものだと思う。