月夜にだけ
「10年ぶりくらいかしらね。」


「うん。それくらいになるかな。」


「だけど翔くん、こんな夜中に何してたの?」


「あ、実はオレさ、太陽に当たれないんだよ。日光過敏症みたいなやつでさ。それで夜しか出歩けないんだ。」


「そうなんだ。だからそんなに色白なんだね。私負けちゃいそうだよ。」


「リサ、バレーボールは続けてるの?将来バレーボールの選手になりたいって言ってただろ。」


「うん…。ずっと続けてたんだけどさ、高校入試あたりから、またゼンソクがぶり返しちゃって、お医者さんに止められたの。


辞めたくなかったんだけど、仕方なくてさ。それで今サトコおばさん家で静養してるってわけ。」
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