“ ど・れ・に・し・よ・う・か・な? ”  【作品ガイド】
10.みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~
『みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~』


私たちはみんな未完成

男も女も半人前

ちょうど描きかけの絵と同じ

私たちはみんな、描きかけの私


いつか誰かに教わったわけでもないのに

自然と恋人や友達を求めてしまうのは、

きっと私たちが無意識のうちに

自分の残り半分を求めているからだと思う


ときに半人前で未完成な好奇心は、

手当たりしだいにモノをつかみ取らせ、

けど次々と中途半端で投げ出してしまう


でも、それで全てが終わるわけじゃない

アレもコレもまだ途中のままだから、

いつでも続きをはじめればいいだけのこと


生まれる前になくしてしまった

自分の残り半分をやがて見つけ出したとき、

“0.5+0.5=”の解は1にも、10にも、

そして100にだってなれるって思う―――



【作者のコメント】
記念すべき10作目として本当は他の作品を考えていたんですが、なんとなく……でも、どうしても書いておきたくて……ある意味で作者の超ワガママ作品です(汗)

主人公の女のコの名前を、作家・太宰 治からいただいて“太宰美佳”にしたように、コノ作品は他のあおい作品に比べて、ちょっと暗めなので、少しでも空気を軽くするためにはんなりとした“京都弁”をしゃべらせてみましたが、ヤッパリ方言で作品を書くのは難しいなとあらためて思いました(汗)×2

ちなみにタイトルの“みかん”には主人公・美佳の名前、未完成、そしてフルーツのミカンの三つの意味があったりします♪♪

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