天然王子は狼です
「お名前とクラスを教えて下さい!」

カナが興奮しながら尋ねた。

「3年C組篠原春」

篠原…春。
綺麗な名前…。

「やっぱり先輩なんだぁ!あたし、結衣の友達でカナっていいます。あの、結衣の事よろしくお願いします!」

「うん。任せて」

「はいッ!じゃあ邪魔者は消えまーす!ばいばい、結衣」

なんか嵐のようにいなくなったな。
カッコ良すぎて恐れ多くなったのかも…。


カナがいなくなると、機械的に2人っきりになる。

「あ…の、…あたし、先輩の事なんて呼んだらいい、ですか?」


「春」


「春…せんぱい」


2人で顔を合わせて笑いあった。


「あたしは結衣でいいですよ」

「分かった。結衣」

ふわっと笑う春せんぱいの姿にドキンとする。

「ちょっとお茶でもしようか」

「はいっ」


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