天然王子は狼です
「…かっ勝手に行って下さいっ」


天然?
わざと?
からかわれてるだけ?

どれにしても……この人おかしい!!


「何怒ってんの?」

「怒ってないです!!」


「おおーい!春!!」

突然、背の高いワイルドなイケメンが走って来て王子さまの肩を抱いた。
だ、誰?


「誰この子?」

「んー。知らない」

「知らないんかい!ーえっと俺はコイツのダチの柚紀。キミは?」


「四季結衣…ですけど」

ワイルドイケメンはニカッと笑い「コイツに絡まれてただろ?コイツ天然だから困るよな」と言って王子さまの肩を叩いた。

やっぱり、天然なんだ。
王子さまは何やらあたしに出会った時の事、自分は病気かもしれないという事をワイルドなイケメン君に喋っている。

ワイルドなイケメン君は笑ったり、神妙な顔をしながら聞いていたけど、あたしは帰っていいのか分からず途方に暮れていた。


話を聞き終えたワイルドなイケメン君は「お前それは恋だよ」と王子さまに言い、チラッとあたしを見た。

てかつま先から頭の先まで見られた。
え~コイツが好きなんか?って感じで。

ど~せ平凡顔ですよーっだ!


てか……王子さまはあたしに恋したってこと!?
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