天然王子は狼です
「うーん…。あ、そう言えば帰り際に校門で待っててって言われた」

「あたしも行くわッ」

「う、うん。いいよ…?」

だ、大丈夫かな?


「だあああ!ちょっと待てよおお!」

「蓮斗!?」

同じクラスで幼なじみの蓮斗がイキナリ大声を出すのでフォークを落としそうになる。
蓮斗はあたしより少しだけ大きい比較的小さくて可愛い系の男子。
ちなみにバカ。

カナはニヤリと笑い、あ~あと呟いた。

隣の席で食べていた蓮斗はフォークに唐揚げを差しながらあたしにそれを突き出し、凄い剣幕で喋り出す。

「おっお前彼氏が出来たのか?!?」


「……う、うん~?多分」

「はああああ?!」

「驚きすぎ!」

「だってお前好きな奴いないって…」

「さっき出来たのッ」


「なっ俺は許さねぇぞ!」

「別に蓮斗に許してもらわないでもいいよ!ばか」

蓮斗のフォークの唐揚げをパクリと食べてやった。

「なー…っ」


途端に蓮斗が赤くなる。

「へ?」

「とっ兎に角ソイツに合わせろ!俺は認めねえ!」

変な蓮斗…。

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