執事と人魚姫
Ⅰ
伝説
「お嬢様? 何を読んでらっしゃるのですか?」
「あ、綺羅!!
人魚姫の話よ」
「人魚姫・・・・ですか・・・・フム・・・」
「どうかした?」
「いえ」
大きなお屋敷の中の小さな部屋。
話をしていたのは、執事・金井綺羅とお嬢様・森田零。
「ねぇ、綺羅!人魚ってホントにいるのかな?」
「いませんよ・・お嬢様・・・・人魚は妖怪ですから・・・とっくに死んでるんじゃないですか?」
「・・・・・そっかぁ・・・・残念だなぁ・・・会いたかったのに・・・・」
「・・・・あ、でも伝説では人魚は今もいるって言いますよね・・・」
「あ、言うね!!」