呪業―じゅぎょう
プロローグ
「部活何入ろっかなあ~」

俺は担任の奥村に配られた用紙を見ながらシャーペンの芯を出したり引っ込めたりした。

「何?隼人、まだ決めてねぇの?」

後ろの席の秀樹が驚いたように言う。

俺達は最近、中学校に入学したばかりの新入生。

そろそろどの部活に入るか決めなければならない。

そう思っていたらとうとうその日がやって来た…

HRが始まると、奥村が部活の名前が書いてある用紙を配り、今日中に決めるように言われた。

ホント…何も決めてねぇや…笑

「秀樹は決めたのか?」

右手にシャーペン、左手に用紙を持って体ごと秀樹の方に向け、用紙を秀樹の机に置く。

「俺はこれかな」

秀樹はそう言って自分の用紙を俺の方に向けた。
そして、“バスケットボール”と書いてあるとこをシャーペンで指す。

「バスケかあ…」

俺は呟く。

「お前まだ決まってねぇんだろ?だったらお前もバスケにすれば?」

「いや、俺は…」

サッカーにしようかな…っと言う前に秀樹が、俺の用紙を取り、勝手に第一希望のとこに“バスケ”と書いた。

「おい、勝手に書くなよ」

「何で?いいじゃん、別に」

「俺達の仲だろ?」と最後に付け加え、自分のと俺の用紙を前に提出した。

まあ…いっか。

考える手間省けたし。



バスケも悪くねぇかな…。




てか…


第一希望しか書いてねぇじゃん!!笑



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