呪業―じゅぎょう

そろそろみんなも書き終わり、教卓に人数分の用紙が集まった。

｢よし、これで全員だな｣

そう奥村が言うと、タイミング良く、ＨＲ終了のチャイムが鳴った。

―――――ガラガラ

チャイムが鳴ると当時に、教室のドアの開く音がした。

一斉にクラス全員がドアに注目する。


それと共に、ドアから見知らぬスーツを着た男が入ってきた。

｢誰だよ、あいつ｣

俺は秀樹に耳打ちをする。

｢さぁ？校長か何かじゃねぇの？笑｣

｢マヂ？でもあいつ、ちゃんと髪の毛あるじゃん｣

首だけを後ろに向け、男の頭を指差した。

｢ぶっ…いくら校長だからって、みんながみんな、ハゲではないっしょ？笑｣

｢だよな。笑｣

俺達がこんな会話をしている中、奥村が男に近づき一言

｢何ですか!?｣

と聞く。

しかし、男は奥村の言葉を無視し、何も言わず教卓に立った。

そして口を開く。


｢ぇえ～皆さん、今日からこのクラスの担任になりました、渡瀬真司といいます。これからは奥村先生ではなく、私の指示に従ってもらいます｣

渡瀬と名乗る男の言葉を聞いて全員｢え？｣という顔をしている。

それも当たり前だ。
さっきまで奥村が担任だったのに急に担任が変わるなんて普通有り得ない事だ。

驚いて当然だ！


そして、一番驚いているのは奥村自信だろう…