翡翠の帯留
リールに巻いてあった糸は、
ゴムひもみたいに伸び縮みする。
文ちゃんは器用にそれを使って、
浩輔君のブレスを
繋ぎ直した。

「できたよ」
「早っ」

浩輔君はそれを受け取って
腕に嵌める。

文ちゃんは、
手芸屋の袋を、
旅行鞄に放り込もうとして、
何か思いついたように、
鞄に手を突っ込んだ。
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