翡翠の帯留
真佐子伯母さんは、
物入れの抽斗を
あちこち探った。

「それそれ」

10cmほどの、
ナイフやら、
缶切りやら、
色々くっついた
十徳ナイフ。

お父さんは、
蓋の隙間に、
刃を押し込んだ。

ぐりっ、と。

テコの原理で。

蓋が開いた。
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