翡翠の帯留
伯母さんたちと、
従兄姉たちは、
順番に、
お香を供えた。

きゃらのこうよ、と、
真佐子伯母さんが言った。

「きゃら?」
「伽羅、という木の、お香」

お線香とは違う、
なんとなく懐かしい匂い。

「お祖父ちゃん、この匂いが、
大好きだったからね。
アロマ、やってたからね」

お祖父ちゃんとアロマテラピー。
何だか不思議。
だけど、お祖父ちゃんらしい。
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