W・ブラッティⅡ
プロローグ
 この会見を見ている人間がいた。線の細いシルエットを持つ男がソファーにもたれかかりながら特に感情を出さず、さも他人事であるかのように。
その様子を一通り見終わるとテレビのスイッチを消した。


「鉄斎もあっけないもんだね。もっと骨のある奴だと思ってたのだが。所詮は研究者か……」


 誰もいないリビングで一人の男が喋った。その話を聞いている人は誰もいない。


「さてと。俺も一仕事始めるかね。あんたの残した物で……」


 男の視線の先にあるのは二枚の紙であった。その二枚の紙を一瞥してすぐに自分のスーツの中にしまった。
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