W・ブラッティⅡ
「続けて」
「はい。彼女――新城麻耶と悠介お兄様との接点は今から十年前に新城玲菜が悠介お兄様を新城家に迎え入れたことからです。彼女は精神科医でもかなりの地位に立っており二重人格についての研究としてお兄様を新城家に連れてきたと言っております」
エクレシアが思案顔になってカトリカの言葉を反芻しながら思考を巡らす。
「そしてターニングポイントになったのはつい三週間ほど前、お兄様が鉄斎お爺様の『サイエンスカンパニー』から届いた『血の起爆』の装置に触れてしまったのが原因で悠介お兄様の人格が出てきたとされています」
カトリカの説明を受けてエクレシアが難しい顔をしている。
「お兄様は元から二重人格だったの?それとも新城玲菜はあくまでも二重人格の傾向があるだけで新城家に連れてきたの?」
「詳しいことは分かりませんが、お兄様は小さい頃に虐待を受けていたとの報告は入っております。そのことを鑑みると二重人格の傾向があったので連れてきたとの見方が強いと思います」
「小さい頃から虐待……」
エクレシアはより一層顔を険しくする。カトリカは黙って彼女の思考の邪魔をしないようにしている。
「分かったわ」
エクレシアが何かを掴んだ。その顔は閃いたというよりは勝ち誇った顔していた。
「何か掴めましたか?」
「ええ。十分に。でも私の答えが正しいのを確認するためには、一度ここから離れてお兄様同士の対決を見る必要があるわ」
「元々そのつもりでしたけど、どういうことだか説明してもらえないかしら?」
エクレシアはニヤリと笑みを浮かべてカトリカに耳打ちをする。
「実はね……」
「はい。彼女――新城麻耶と悠介お兄様との接点は今から十年前に新城玲菜が悠介お兄様を新城家に迎え入れたことからです。彼女は精神科医でもかなりの地位に立っており二重人格についての研究としてお兄様を新城家に連れてきたと言っております」
エクレシアが思案顔になってカトリカの言葉を反芻しながら思考を巡らす。
「そしてターニングポイントになったのはつい三週間ほど前、お兄様が鉄斎お爺様の『サイエンスカンパニー』から届いた『血の起爆』の装置に触れてしまったのが原因で悠介お兄様の人格が出てきたとされています」
カトリカの説明を受けてエクレシアが難しい顔をしている。
「お兄様は元から二重人格だったの?それとも新城玲菜はあくまでも二重人格の傾向があるだけで新城家に連れてきたの?」
「詳しいことは分かりませんが、お兄様は小さい頃に虐待を受けていたとの報告は入っております。そのことを鑑みると二重人格の傾向があったので連れてきたとの見方が強いと思います」
「小さい頃から虐待……」
エクレシアはより一層顔を険しくする。カトリカは黙って彼女の思考の邪魔をしないようにしている。
「分かったわ」
エクレシアが何かを掴んだ。その顔は閃いたというよりは勝ち誇った顔していた。
「何か掴めましたか?」
「ええ。十分に。でも私の答えが正しいのを確認するためには、一度ここから離れてお兄様同士の対決を見る必要があるわ」
「元々そのつもりでしたけど、どういうことだか説明してもらえないかしら?」
エクレシアはニヤリと笑みを浮かべてカトリカに耳打ちをする。
「実はね……」