W・ブラッティⅡ
2
真っ暗の会場はどよめきが瞬く間に制圧した。その中でも不敵に笑う二人の少女――エクレシアとカトリカ。
二人は双眼鏡を外して顔を見合わせる。
「出たわね。ついに」
「出ましたね」
二人はそれだけを言い満足そうに椅子に深く腰を掛ける。
「博文お兄様の殺気は聖特有の殺気が生まれていましたわ。ここまでかなりの距離ですがしっかりと感じましたわ。さすが、聖の名を継ぐ最右翼と呼ばれるだけのことはありますわ」
「しかし、もう一人の悠介お兄様の方からはさほど感じませんでしたわ。博文お兄様の殺気が強すぎて感じ取れなかったかしら?」
「どちらにせよ、聖の名と遺産をかけた第一ラウンドは切って落とされた」
「果たして紙を手に入れるのはどちらのお兄様でしょうかね?エクレシアお姉さま?」
二人はどよめく周囲を気にもとめず不敵に笑う。その姿は異彩すら感じられたが暗闇の中でそれを感じ取れたものはいないだろう。
「お、お、おい慎次!」
良太がそう叫んだ瞬間会場の電源は全て落ちた。非常灯も何もかも消えてしまい、隣にいるはずの玲菜の顔すら見えない。
良太はすぐに自分の席であろう椅子に腰を掛け、すぐに玲菜の手を握った。心なしか玲菜の手は震えていた。
「何か……いやな予感がします。あの子に……」
「落ち着きなさい。玲菜。今は二人ともいない。」
そう言って良太は玲菜の手を強く握りしめた。もう二度と離さないように。
二人は双眼鏡を外して顔を見合わせる。
「出たわね。ついに」
「出ましたね」
二人はそれだけを言い満足そうに椅子に深く腰を掛ける。
「博文お兄様の殺気は聖特有の殺気が生まれていましたわ。ここまでかなりの距離ですがしっかりと感じましたわ。さすが、聖の名を継ぐ最右翼と呼ばれるだけのことはありますわ」
「しかし、もう一人の悠介お兄様の方からはさほど感じませんでしたわ。博文お兄様の殺気が強すぎて感じ取れなかったかしら?」
「どちらにせよ、聖の名と遺産をかけた第一ラウンドは切って落とされた」
「果たして紙を手に入れるのはどちらのお兄様でしょうかね?エクレシアお姉さま?」
二人はどよめく周囲を気にもとめず不敵に笑う。その姿は異彩すら感じられたが暗闇の中でそれを感じ取れたものはいないだろう。
「お、お、おい慎次!」
良太がそう叫んだ瞬間会場の電源は全て落ちた。非常灯も何もかも消えてしまい、隣にいるはずの玲菜の顔すら見えない。
良太はすぐに自分の席であろう椅子に腰を掛け、すぐに玲菜の手を握った。心なしか玲菜の手は震えていた。
「何か……いやな予感がします。あの子に……」
「落ち着きなさい。玲菜。今は二人ともいない。」
そう言って良太は玲菜の手を強く握りしめた。もう二度と離さないように。