W・ブラッティⅡ
 一通り目を通すと、麻耶は気を失って倒れている悠介を目を細めて見る。


 ――何が隠し事なんかしてないだ。もうすでに隠し事しているじゃない。


 ついに我慢できなくなったのか、麻耶は声に出して、


「あなたのそういうこところが許せないの!いつまでも一人で背負いこんで!」


 そして、大きな声で泣いた。涙は頬を伝い、留まることなくステージに落ちる。ステージは麻耶の悲痛な泣く声だけがステージに響いた。
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