エボリューションマン -英雄たちの峡谷-
 そして、追い討ちを掛けるように真っ黒いゴミが付いたような海賊船が、帆を空いっぱいに広げて逆さ状態で空中に静かに降りて来た。 ミノカサゴみたいな奴だった。 ニューヨークの宙をゆっくりと進んで来て都市の真ん中辺りで停滞する。 
 獲物を待つように何時間も破れた帆をなびかせて、絵画のように止まっていた。 

伸びてゆく。
「何だ、ありゃ〜・・・・・・!?」
「白い光・・・・・・!?」 
「・・・・・・!?」
 輝く柱の源にカメラが寄った。 寄ッた、酔った。
 全世界が海賊船から出た白い光にテレビに釘づけに成る。 視聴率が上がる。

 周りの生物体からカムフラージュした人口惑星から、流れ星☆が放たれた。
 丸く光る天使の輪・チリの輪を!?を撃ち抜き消え、ワープする。

 真下に居たのは、真っ黒い悪魔!? 四方をコマイヌを座らせ、ラバラバ(長い巻きスカート状の真白い服)を着たキリスト似の男がさびた鎖のつなを四本持っていたのだった。

 コマイヌ悪魔は、顔を上に向けて大きなあくびをした。
「ア〜ウ・・・・・・!?」
 西郷隆盛と犬のように、武装した真っ黒い四人の魔物が、コマイヌ悪魔の横に各々現われた。
 五分ごとにネズミ算式に増えていく。
 四人、八人、十六人、三十二人・・・・・・。 

 そして羽織っていた黒いマントを脱ぎ捨てていった。 異様過ぎるシルバー一色の完全武装した人間型人間大のマシーンが現れた。 死神のようなサメのような冷たい目を持っていた。 各々で光り方が違う。

 アメリカは、緊急トップ会議を早急に行い、話し合いをし、計算・計画をし、苦肉の策を出した。
 参加した誰もが頭を抱えながら、痛めながら、唸りながら意見を出し合っていった。 
 鋭く落ち着きのある目に変わる。 
 冷や汗をツ〜と一本流す。
 そして大統領が命令を下した。

  しかし、鍛えられた精鋭の一軍隊が負けていた。 
 暗号信号が入る。
「至急 陸と空と応援を頼む」 SOSに近い非常用の援助要請だった。

 本部は、信号が入るのを予測していた。
 いくつかの戦闘映像から、分析し、出した結論からだった。 
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