◇◆センセイは俺の!◆◇



「あ、大チャン。美波先生だよ?」


「うそ!…」


「なに隠れてんの?」


「は!?…か、隠れてねーし。」


「いやいや、今完全に隠れたよねぇ。
隠れきれないけど、さっき相撲部の猫田くんの後ろに隠れたよね?」


「ちげぇし。隠れてないし。そもそも俺が隠れる必要なんかないし!」



お昼、購買で焼きそばパンを買い込み、瞳と屋上にむかっていた。



前から歩いてきたみーちゃんを見て、何故か反射的に隠れてしまった俺。



まぁ別に隠れる理由なんかひとっつもないけど?



ましてや、隠れようなんて…避けようなんて思ってもいません?



だって、体が先に動いちゃったから仕方ないじゃないですか?



瞳にボソボソ言われながら、屋上まできた。


無我夢中で焼きそばパンをかじる俺。



「大チャン、焼きそばパンもいいけどさ、
逃げてちゃ先に進めないよ?」



隣でいちごみるくとか言う甘ったるい飲み物をストローでチューチューしながら、言ってきた瞳。



ふん。分かってるし。



でもとりあえず、今は焼きそばパンに集中しないといけないんだよ!



この焼きそばパンは、油断すると口に加えた反対側から焼きそばがこんにちわってしつくんだよ!



俺はそんなことにはさせない。


一本残らず、完食してやるぞ。



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