◇◆センセイは俺の!◆◇
「ふぅ~ん…難しいわねぇ。。」
「何か…すげー胸がズキッてしたんだ」
放課後、いつもするバスケもせず…
学校を出た俺。
そして、今。ジンシャーエールを片手に、タロウさんに恋のお悩み相談中。
あんなみーちゃんを見たのが初めてで、ショックを隠しきれないでいる俺。
そんな俺に、タロウさんはグラスを磨く手をとめて…
「大輝、あんたまだ若いんだから…もっとアグレッシブに恋しなさいよ!」
いつもよりちょっと高い声を裏返しながら、タロウさんはそう言った。
若干、引いてしまった俺。
タロウさんは一つ咳払いすると、止めていたグラスを磨く手を再開し、また口を開いた。
俺もジンシャーエールをひと口ゴクリと飲んだ。
痛いくらいの炭酸の刺激が、のどで暴れる。
それで、涙がでそうになる。
「女はね、どうしても何かを抑えて我慢しないといけない時は…強がった態度をとるのよ…。」
さっきとは打って変わって、静かな口調でタロウさんはそう話した。