◇◆センセイは俺の!◆◇
「ハァ…ハァ…息が…」
酸素が間に合わないくらい息が上がった俺が、走ってきた場所。
・・・・学校。
校門のところで、膝に手をつき息を整えていると…
「あれ?何してんの大チャン。帰ったんじゃなかったっけ…。」
サッカーボールを両手に抱えたジャージ姿の瞳。
サッカー部のマネージャーをしている瞳は、いつも最後までいる。
「戻ってきた。」
「何で…」
聞きかけた瞳は、俺の目線の先に気づいて、やめた。
だって俺が保健室の窓から見える、ある人物を見つめていたから。
すると、瞳が…
「あ、たしか部室の救急箱のテーピングきれてたなぁ…。あ、大チャン保健室で貰ってきてくれない?…“ついで”でいいからさぁ?」
ニヤッと可愛く笑ってそう言った。
そんな瞳に俺は、すました顔で…
「仕方ねーな。貰ってきてやるよ。
…“ついで”にな!」
そう言って校舎に向かって走り出した。