◇◆センセイは俺の!◆◇
………俺には、結局なにもできないんじゃないか。
須藤を見ていると、悔しいけどそう思いだした。
かっこつけで、女タラシで、金持ちを鼻にかけてて…でも、
みーちゃんの幸せを考えたら、隣にいるのは…須藤の方なんじゃないか。
まだ社会に出て、働いたこともない…親に甘えて生きてる俺なんかじゃなくて。
ふとみーちゃんに目を向けた。
目が合う。
須藤に話しかけられて、目をそらす。
「大チャン。」
「ん?…」
「デザート食べたい。取ってきて♪」
「分かった。」
何で俺がこんなに素直なのか…
いつもなら瞳のわがままにグチグチ言う俺が…
デザートが置いてあるテーブルは、入り口に近い場所。
みーちゃんと須藤の姿は俺の背中側。
あんなみーちゃんの笑う顔…見たくない。
瞳は、それに気づいたんだ。
・・・恐るべし、幼なじみ。
こんな時は、瞳に感謝するよ。