◇◆センセイは俺の!◆◇
ちょうど、ホテルの広いロビーに出て来た時だった。
フロントで鍵を返す人物が目に留まった。
それも、驚くべき人物。
その人物は、連れの50代くらいのオジサンと腕を組みながら…俺らの方に歩いてきた。
そして、俺に気づく。。
「角クン?何してるのかなぁ?こんな所で」
「て、照さ…」
「照美さんでしょー?」
「おはよーございます。照美さん。」
「フフッ、おはよう♪」
女装姿のテルさんだった。
ヤバい。
「ねぇ、大輝くん~この人誰?」
「えっ…えっと、その…」
マキさんがちょっとふてたように見上げて聞いてきた。
俺が返答に困ってると・・・
「友達よね?」
「は、はい。」
テルさんが微笑みながら、そう聞いてくる。素直に頷く俺。
「あ、社長?私、このあと用事ができましたの。お送りできないのですが、よろしいでしょうか?」
「いいとも②。」
「まぁ、助かりましたわ社長!お礼に…」
―――――チュッ。。
「はっはっ、こりゃ儲けたな!」
テルさんとその社長と呼ばれるオジサンのやりとりを見ていた。
そのあと社長さんが帰っていくと、テルさんは、マキさんが組んでいないもう片方の俺の腕に巻きつくと…
「ごめんなさいね。この子、私が頂くわ?」
テルさんはマキさんに笑いかけながら、そう言った。