◇◆センセイは俺の!◆◇



――――ピトッ



「キャッ……ぁ、え?」


「何してんの、こんなとこで。はい。」


「あ、ありがとう…。」



突然、頬に温かいものを当てられたその人は、未だ驚きながらも缶コーヒーを受け取った。



俺もその人の隣りに座る。



「ありがと、これ。温かい。。」


「別に。いつからここにいんの?寒かったでしょ。」


「ん、ちょっとね。」



缶を両手で挟んで、温めながらその人はちょっと恥ずかしそうにそう言った。



はは~ん、これはもしや?



「みーちゃん、はぐれたんでしょ。友達と。」


「ぅ、うん。」



やっぱり。


そう、1人ベンチに座り込んでいたのは、着物姿のみーちゃん。



ったく、みーちゃんは。



「俺もはぐれたから、温まりにきた。」


「えっ?そうなの?」



俺はニヒッと笑って見せた。

すると、みーちゃんは力を抜くようにして笑い出した。



「あはははっ。私に言えないじゃない!」

「いーの。みーちゃんほど、トロくないもん俺。」


「あ、今先生のことバカにしたでしょ。」


してない②と、笑いながら答えると…少し口をとがらせながら、プンスカ怒るみーちゃん。


可愛いし。


てか、出会った頃みたいだなぁ…今。


楽しい。




< 187 / 413 >

この作品をシェア

pagetop