◇◆センセイは俺の!◆◇
「俺、認めないから。あんたがみーちゃんの婚約者だってこと。」
イスから立ち上がると、須藤の前に立ってハッキリと言った。
「フッ、君に認めてもらわなくても困ることはない。」
余裕しゃくしゃくの表情をかましながらそう言うと、須藤はみーちゃんの手首を掴み無理やりイスから立たせた。
抵抗できないみーちゃんを知っていて、自分の方に肩を抱き引き寄せる。
「・・・・」
何もいえずに俯くみーちゃんを見ると、何もいえなくなる。
いつの間にか握り締めていたこぶしが、痛む。
「反論はないようだな。では、美波は返してもらおう。・・・・さぁ、いこうか。」
「・・・・はい・・・。。」
反論しない俺に、須藤は勝ち誇った表情を浮かべ気まずそうにするみーちゃんの肩を引き寄せながら…店を出て行った。
虚しくドアが締まる音が耳に入る。
悔しい・・・。
何もできない自分が・・・歯がゆい。
何で何も言えねーんだよ…
俺の意気地なし…。。