◇◆センセイは俺の!◆◇
教室に戻ると、担任がもう来ていた。
みんなの視線が俺に・・・
「角くん、もう始まってますよ。」
「はい、すいません。」
「遅れた理由ありますか?」
「沢田先生に抱きしめられてて。」
「はい?」
「いや、トイレッス。」
「そうですか。」
何かよく分からんって顔した担任をほっといて、自分の席に座る。
「ゴホン、じゃあHR始めま・・・・」
改めて担任がHRを始めようとした、その時だった。
「ちょっと待ってください先生!」
担任が驚いた顔で、固まってる。
そんな担任をよそに、立ち上がったのは…
「角くんに聞きたいことがあるんです!」
同じクラスの女子、それも結構ギャル組のリーダー格の馬場さんだ。
なんか、マスカラ&アイラインで真っ黒の目がいつもにも増して凄まじい威圧感を…
「いや~馬場さん、それは後からでも…」
「他のみんなも知りたいよね?」
馬場さんに意見を求められ、女子が一斉に頷き始めた。
もうこうなりゃ、担任の手にも負えない。
何なんだぁ・・・俺に聞きたいことって・・・
黙った担任を見て、馬場さんは机一個挟んだ左にいる俺の方を向く。