◇◆センセイは俺の!◆◇



てか、そんなことより…



「みーちゃん、お母さんの具合大丈夫なのかよ。」


「え、あ…聞いたのね。」



俺が頷くと、みーちゃんは人の目を気にしてか…近くに喫茶店があるからとそこに入ることに。



みーちゃんが連れてきてくれたのは、こじんまりとした小さな古い喫茶店だった。



入ると、タロウさんの店と似た“カラン”という古い鐘の音がする。



空いたテーブル席に座る。


と言っても、お客さんは常連らしきおっちゃんが1人と俺らしかいない。



「いらっしゃい。美波ちゃんのコレか?」



そう言って親指を立てながら、からかうような笑みでメニューを渡したのは…



「もうっ、マスター。」


「ははっ、美波ちゃんもそんな年頃になったんだなぁ。」



どうやらこの店のマスターらしい。



てか、やけに親しいんだな。
なんてボーっと考えてたら、みーちゃんに話しかけられた。



「マスター、私いつものアメリカン。
…角クン、何にする?」


「えっ、あ、俺も同じので。」



そしてマスターはカウンターへ戻っていった。


しばらくすると、コーヒー豆を挽くゴリゴリという音が響きだした。




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