◇◆センセイは俺の!◆◇
マスターは、眉をくいっと上げて笑った。そして、近くのイスに腰掛けた。
それから、いろんな話をしてくれた。
小学生の頃は、よく亡くなったお父さんとホットケーキを食べにきたこと。
中学・高校の頃は、親とケンカをすると必ず『マスター聞いて!』と怒りながら、時には泣きながら、ここにやってきたこと。
教員免許の受験の勉強を毎日、ここでしていたこと。
ここにはたくさん、俺の知らないみーちゃんがいた。
でもここに来て、俺の知らなかったみーちゃんを知ることができた。
今日はヒマな1日になると思ってたけど、すごい大収穫な充実した日になった。
「もう、マスターあんなに喋らなくてもいいのに。」
思う存分喋ったマスターが意気揚々とカウンターへと戻っていった後、みーちゃんは膨れていた。