◇◆センセイは俺の!◆◇
「どうしたの?こんなところで。」
「ちょっと、幼なじみが入院してて…」
「あら…それは心配ね…。」
みーちゃんのお母さんは、まるで自分のことのように心配そうな表情を浮かべた。
いつの間にか、俺はベンチ、みーちゃんのお母さんは車いすと隣同士で話していた。
「あの…お身体大丈夫なんすか?」
当たり障りのないこの質問をした。
病気のことを知ってる手前、哀れみみたいに感じ取られたくない。
「ぅん…大したことないわ。ちょっと疲れが出ちゃったみたいね。」
「そうすか。あんまり無理しちゃだめですよ、中川先生はお母さんをすごい頼りにしてるんですから。」
思わず力の入った俺の言葉に、みーちゃんのお母さんは嬉しそうに笑うと、こう言った。
「ありがとう。…美波のこと、よく分かってくれてるのねぇ。」
すごい不思議な感じ。
みーちゃんのお母さんは、俺をどういう風に見てそう言ってくれたんだろ…。
娘を保健医として慕う学校の生徒…?
それとも
娘を想ってくれている…1人の男として?