◇◆センセイは俺の!◆◇
「でも、みーちゃんには須藤と幸せになってほしいってッ…」
つい勢い余ってみーちゃんって言ってしまったことに気づく。
それでも口に出してしまってはもう遅い。
しっかりとみーちゃんのお母さんには聞こえてしまったようだ。
みーちゃんのお母さんは、シワ目尻にできた何本かのシワをもっと深くして、クスクス笑い出した。
「ぁ…これは違くてっ、えっと…」
見ていて痛いくらいバカみたいに慌ててる俺。
「みーちゃんって、呼んでるのね。…フフッ懐かしい、昔そう呼んでたわ、私も。」
そう懐かしそうに笑うお母さんを見て、俺は小さい頃のみーちゃんを想像してみた。
今みたいに髪は長くて、ちまっとしてて、素直で純粋で、優しい子だったにちがいない。
俺の中のkids版みーちゃんはかなり可愛い。
「前に会った時、話したわよね…美波には小さい頃から父親がいないことで苦労させてたって。」
静かに話し出したお母さんに俺は頷いた。