◇◆ｾﾝｾｲは俺の！◆◇

――――――ガチャ・・・・



「なんだ？お前。」



体育教官室のドアを開けるやいなや、沢っちはそう一言。



そう、俺は授業が終わるとカバンをひっつかんでここに来て沢っちを待っていた。



「ちょっと頼みがある。」


「はっ？」


「ま、いいから。そこ座ってよ。」



コーヒーを淹れてくれようとしたのか、持っていたカップを置いて、沢っちは向かい側のソファーに座った。



「中川先生のことか？」


「んへ？」



思わず間抜けな声が出た。


見ると、沢っちは腕組みをして…いつものふざけたドＳ顔じゃなく、珍しく真剣な表情だった。



「中川先生、今日休みだったからな。まぁ、角のことだ…それくらいしか俺に頼みごとなんかしないだろ。」



まぁ…そうだね。


いや、お見事。


俺が図星な顔をしていたのか、沢っちはフッと笑って…



「…で、頼みって？」


「うん…その…」


「なんだよ、お前らしくない。何モジモジやってんだよ、気持ち悪いなぁ…。」


「な、気持ち悪いはないだろ！」


「ははははっ！」