◇◆センセイは俺の!◆◇
―――――カラン。。
いつも聞いているドアのベルの音が遠くで聞こえる気がする。
「いらっしゃーい。」
かん高いタロウさんの声に何故かホッとした。
なんか…すげー心が痛い。
「珍しいわね、大輝ちゃんと真子ちゃんのコンビ。」
「試験勉強で大輝くんと残ってたから。
ちなはタケさんのお迎えで、瞳はデートらしくて。」
「大変ね、試験勉強。無理しないようにやりなさいよ?…って、あら?」
黙り込んだままの俺にやっと気づいたタロウさんは、真子ちゃんにコソコソと事情を聞き出してる。
そんな会話より、俺はさっきの光景で頭も胸もいっぱいいっぱいだった。
みーちゃん…何で?
「大輝くん…大丈夫?」
心配そうに俺の顔を覗き込む真子ちゃんを見て、ちょっと凉さんがうらやましくなった。
「真子ちゃん優しいなぁ…俺惚れちゃうかも。」
「もう、大輝くんってば。美波先生一筋なくせに。」
呆れたようにちょっと笑いながら、そう言ってくれた真子ちゃん。
みーちゃん一筋…か。