◇◆センセイは俺の!◆◇
――――――・・・
「おー角!一緒に帰んねー?」
授業が終わり、ザワザワし始めた教室で高塚が寄ってきた。
久々の登場だな、こいつ。
てか、またチャラくなったか?
一時期、まともだったのにな。
「わりぃ、勉強。」
それだけ言うと、高塚は呆れたようにうなだれた。
「お前、最近おかしーぞ。勉強すんの?」
「あたりめーだろ、エンジョイキャンパスライフがかかってんだよ。お前みたいに、そば屋継ぐわけじゃないからな。」
「うっせーな、俺だって好きでそば屋になるんじゃねーかんな。」
高塚はこう見えて、老舗のそば屋の一人息子…跡取りってわけだ。
だから、端っから勉強なんかしない奴。
いいのか、悪いのか。
「とにかく、無理。」
「おう②わかったよ。がり勉くん。」
一発高塚のケツに膝蹴りを食らわせ、俺はさっさと教室を出た。
悪いな、高塚。
今日は勉強じゃないんだ。
勉強ってのはウソ。
俺は今日これから、大事な人に大切な用があるんだ。
俺が向かった先、それは…