◇◆センセイは俺の!◆◇



―――ガラッ



相変わらず、建て付けの悪いこの引き戸。


「しつれーしまぁす。」


「はぁい……なんだぁ、角クンじゃない。」


「なんだぁ…って、俺じゃ不満だった?」


「そ、そんなことないっ…」



照れくさそうに笑うみーちゃん。


…可愛い。
なでなでしたくなるじゃんかぁ…。


俺は戸を閉めて…ちょっと悪いこと。

…鍵をかけた。


いーじゃん、今だけ。
今だけだから…誰にも邪魔されたくない。


―――カチャン



鍵をかけるこの音が、なんか余計イケないことしてるみたいでちょっとドキドキ…



そんな行動を見て不思議そうな顔をしているみーちゃんに近寄る。



久々に近くで見下ろすみーちゃん。
ちっちゃくて…守りたくなるような女。



「なんか…久しぶりね。」


「うん。」


「お母さんのことで休んでた時は…
ごめんね。」


「いや、もう大丈夫?」



俺が優しくそう聞くと、みーちゃんはぎこちなく笑って


“まだちょっとね”


そう言った。



< 329 / 413 >

この作品をシェア

pagetop