◇◆センセイは俺の!◆◇



なんて、ベンチに座りながら考えてると…



「やめてっ…もう離して!」


「離すもんか、君は僕と結婚するんだ!」

「いやよ、もう私は耐えられない!」



広場の真ん前で口論するカップルがいた。

高級車から飛び出すように下りてきた女を必死に捕まえる男。


ったく、クリスマスって日にケンカかよ。


聞いてるとあまりにも嫌がる女を男がしつこく引き戻そうとしていて…



俺は限界にきて、ベンチから腰を上げそちらへ向かって歩き出した。



「おい、彼女嫌がってんじゃんか。
しつこいなあんたも。」



そう言って女からそのしつこい男を引き剥がす。



そして大丈夫か聞こうと女を見た。



え…?



「マキさんっ!?」


「大輝くんっ…!」



そう泣きそうな声で俺に抱きついてきたのは、紛れもなく…あのマキさんだった。



なんで?


どゆこと?



「マキさ…」


「何だ君は!
関係ないなら引っ込んでいなさい!」



とりあえず、
こっちを先なんとかしないとな。


マキさんに話を聞くのはその後だ。



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