◇◆センセイは俺の!◆◇



「おはよ。」


「おはよう。」



寝起きの顔でフニャって笑う美波先生が、すぐそばで俺を見てくれてる。


夢かと思ってしまう。



なんて俺がこの幸せな時間をかみしめてると先生が突然俺のおでこに触れた。


思わずビクッとなった。


…ドキッとした。



「熱、下がったわね。よかったぁ…。」


「ん…もう楽になった。」


「そう、よかった。」



ホッとした美波先生。


俺は気になってたことを聞いてみた。



「俺…なんで先生んとこに?」



俺マキさんのマンションを出たところで倒れたはず…
なんで先生んとこにいるんだろ。



すると先生は“何かいれるわ。”そう言ってキッチンへと行ってしまった。



俺もすっかり軽くなった体でベットから降り、部屋を出た。



小さなテーブルとソファーのある隣りの部屋へ来ると、そこもほんのり桜の香りがした。



ソファーに座ると一通り部屋を見渡したあと、キッチンに立つ先生を盗み見る。



あぁ…
結婚したらこんな感じなんかなぁ~とか、妄想してしまう。



「…奥さんみたい。」


「え?何か言った?」


「んぁ?いや、何でもない。」


「そ?」



やばいニヤケ顔見られたかも…


先生は2つ大きなカップを持ってやってきた。



「はい、胃に優しいものと思って…」


「あ…ありがと。」



見るとカップの中身は美味そうな野菜スープだった。



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