◇◆センセイは俺の!◆◇



「全く、びっくりしたじゃないの。」



カウンターから身を乗り出すようにして、興奮したタロウさんが言う。


へへっと軽く笑いながらカウンターの席に座る。



「それにしても、聞いてたより結構いい人そうじゃない。須藤さんって。」


「ん~前はいけ好かない男だったんだけど…なんかあの人感じが変わった。」



カウンターに頬杖をつきながら、ぽつりと話す俺。
それに合わせて何気なしに話に乗ってくるタロウさん。



「ふ~ん…どんな風に?」


「…取っつきやすくなった感じ。」


「何か心境の変化みたいなものでもあったんじゃないの?」



そんなタロウさんこそ、最近やけに肌がプリプリなんだけど…。


まぁ、
その辺はあんまり聞かないことにして…


俺はふと思い出しイスの背に掛けていたダウンのポケットから、須藤から受け取った封筒を引っ張り出した。



ひっくり返してみても、ただの何の変哲もない硬めの封筒。



金色の留めヒモを解き、封筒の中身を取り出した。
――――2つ折りのカードが入っていた。

そっと開いてみる。



「―――――っ…。」




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